南宋〜清の時代に最も賑やかだった街「河坊街(かぼうがい)」を修復保存した河坊街は2000年の4月より杭州市により「新景勝区」として開発され、古い街並みが忠実に再現された街である。修復された古い建物は明代末期〜清代初期のもの。1129年に金を撃退し、庶民に愛された王である張俊が現在の河坊街太平巷に清河郡王府を建設したことから、この一帯が「清河坊」と呼ばれるようになった。当時は店舗が林立し、布の市、米の市などが立つなど商売が非常に盛んだっただけでなく、茶館や居酒屋、劇場なども並んで昼夜を問わす人が集まる賑やかな地域だったという。現在の河坊街は古くても古色蒼然としているわけではなく、今も繁華街としての活気を持ち、往時の面影を求める観光客を惹きつけている。古き良き中国の雰囲気を今に伝える河坊街は、旅の土産を探し歩くには絶好のスポットである。
この一帯は常に杭州の繁華街であり続け、老舗と呼ばれる店はここに集中していたといヽつ。現在でも有名老舗が軒を連ね、大井巷にある胡雪岩が1874年に創立した薬局「胡慶余堂」は健在で、北京の同仁堂と双璧をなしている。「大昌旱姻屋」はタバコを扱う老舗で創業は1869年、四拐角の南側に店を構えているので覗いてみたい。また、四拐角の西北側にはさらに古い1864年創立の中華ハムを扱う「万隆火腿荘」がある。店内に高級食材である金華ハムかぶら下がる様子を、外のウィンドウからも見ることもできる。ほかにも、民族衣装と独特のアクションでお茶を注いでくれる茶館「太極茶楼」や、杭州名物の扇子やシルクの傘、刃物、鋏等々を扱う商店など枚挙にいとまがない。日本ではお目にかかれない小さな品物を探すのもこうした旅の楽しみの一つで、西湖名物の蓮からとつた澱粉を手頃な袋詰めにしたものなども見られる。これはくす湯のようにして飲む。石畳の道の風情ある街並みを散策したあとは清代建築の茶館で一服すれば、日本の大都会の喧騒は遥か遠い別世界の出来事である。